believing
するとチャイムが鳴り、それと同時に
担任の先生が入ってきた。

「これから入学式があります。
 出席番号順に廊下に並んでください。」

先生の声でみんなが一斉に動き出した。

退屈で暇な入学式が始まった・・・



入学式は無事に終わり、教室に戻ると
10分休憩の後、自己紹介をする事になった。
さっきと同じように私の机を中心に
みんなが自然と集まってくれた。

するといきなりユリが言い出した。

「ねえねえ、あのアタシの隣の席の
 小野くんってチョーかっこよくない?」

それを聞いて一斉に私達の視線は
小野君に向いたのであった。

彼の名前は『小野雅弘』。
元気系で身長低め。
男子の輪の中心にいる感じ。

私の小野君に対する第一印象は
元気そう・・・という感じであった。

「ええ~・・・ だったらアタシの隣の
 戸辺君の方がいいしッ」

すかさずハルカが突っ込む。
戸部君とはハルカの隣の席の男子である。
つまり私のななめ後ろの席。

『戸辺拓弥』。いかにもサッカー少年。
結構クールなイメージがある。

「ああ~・・・」

これにはみんな納得の様子。

「ほらほら、サキとリカも良い男見つけなよッ」

ハルカが笑いながら言ってくる。

そんな会話をしていると、
あっという間に10分が過ぎていったのである。

(そういえば、私の隣の席の男子って
 どんな奴だろう・・・。)

ふとそんな事を考えた私は横目で
隣をチラっと見てみた。

(え・・・ええッ?!)

驚いてしまうのも当たり前。
隣の席にいたのは同じ小学校出身の
元気な男子ナンバー1と言っても
おかしくはない男子。
『狩野優馬』であった。

(最悪だ・・・嫌な予感がするし~)

狩野はとにかくやんちゃな男子である。

(まあガリ勉よりはマシだな、うん)

自分に言い聞かせ、いつもどおりに
話しかけてみることにした。




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