Starting Line
「は?何言ってんの晴香」
「とぼけないで!!!」
「ちょっ・・・なんなの?」
「私・・・この前聞いたんだもん・・・」
「え・・?」
「下校時刻になって帰ろうとしたバレー部の友達が、
 光がワークルームに一人で入っていくのを見たって・・・。」
「はぁ?そんなの嘘でしょ!」
「私だってっ・・・嘘だと思った・・思ってたけど・・・
 ごめん。私、光の味方にはなれない!」
「晴香!」
晴香は走り出した。
「・・・」


そのころ。
香澄は光たちにばれないよう、
駐車場に隠れていた。
すると!
向こうの方から足音が・・。
(やばっっ!!・・・あ!)
晴香だった。
「香澄!!」
「晴香・・?」
「ごめん!!香澄!!」
晴香がいきなり頭を下げてきた。
「私、今まで香澄が光に嫌な事されてるの、見てみぬフリしたり、光の味方してた・・・。」
晴香は、香澄にカギ当番事件の真相を全て話した。
「えっ、光が!?」
「うん。ごめん、もっと早くに気付いていれば・・・」
「・・・私は、晴香がそうやって言ってくれるだけでうれしいよ・・・」
香澄はいつの間にか涙が出ていた。
このまえのときみたいに、鼻がツンとしなかった。
香澄は、晴香の瞳をじっとみた。
真剣なまなざしだった。
「晴香・・・ありがと。」
「いいよっ!あとで、先生に相談しに行こ!」
「うん!」

2人が競技場に戻ると、
光は競技場にはいなかった。

秀の試合がやっていた。
秀は、あの性格でなんと
最強のスマッシュマンだったのだ!
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