王子様の恋物語

「わっ…」


軽い衝撃と一緒に聞こえた幼い声

その声の方を見ると小さな女の子が倒れていた

どーやら、ケーラにぶつかってしまったらしい

さっきの軽い衝撃は、女の子がケーラにぶつかった反動が、俺にも伝わったからだった


「はっ…ご、ごめんなさい!急いでて…」


ぶつかった女の子が深々と頭を下げる
そんな女の子に、大丈夫だと言おうと口を開いた

でも、俺の言葉の前に…ケーラが口を開いた


「ちょっと!気を付けなさいよ?!この服、いくらすると思ってるの?!」

「ご、ごめんなさいっ」


俺は驚いて動けなくなった

たしかに、ぶつかったこの子が悪いと思うけど…


「あなたが、弁償できるような代物じゃないのよ!?」

「ご、めんな…さいっ」


相手は…小さな子供なんだぞ?

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