王子様の恋物語
俺の願いが届いたのか、リィが俺達の側を過ぎていく気配がした
ゆっくり、目線を戻すと…
リィはいなくなっていた
ソコにいたのはヤミラ様だけ
そのヤミラ様が口を開く
「私はリィを苦しめるヤツは嫌いだ」
無感情、無表情でヤミラ様が言う
「だから、嫌いだ。自分達の都合でリィの笑顔を奪ったロズレッドの国王も、シーブルーの国王も…そして…」
ヤミラ様が一回そこで言葉を区切り、俺を見据える
「そして…確かめもしないのに、親の言葉を鵜呑みにした貴方も…嫌い」
「…ぇ?」
どーゆうこと?
そう聞こうと口を開くがその前にヤミラ様に遮られる
「お幸せに」
そして、颯爽と俺達の側を過ぎて行った