王子様の恋物語

「…会場、戻ろう」


一通り泣いて落ち着いたので、そう思った


「じゃ…元気でね…オーちゃん」

「クゥ…」


そして、もう来ないであろう秘密基地を後にした…

スタスタ歩いて、会場まであと少しの所で腕を捕まれた

驚いて振り向くと…


「あなた…目障り」


怖い顔をしたケーラ様が私の腕を掴んでいた


「私、何かしました?」


身に覚えが無いので、そう言うと更に怖い顔になった


「レイに近づかないで!レイは私のモノなの!会場に来ないでよ!」

「きゃぁ!」


そして、力任せにケーラ様は私のドレスを破いた


「ふふっ、そんな格好で会場に来ないで下さいね?」


見事に裂かれたドレス
スカートの部分が太ももの所まで裂けて、とても不恰好

これじゃ、会場には入れない…



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