王子様の恋物語

「っ、居た」


走って探して見つけたリィの姿
リィは思い出の池にいた

池の方を見て立っている


そして…


「っ~~、レイの…バカヤローーー!!」


俺に対して暴言を吐いた


「誰が…バカだって?」


リィの背後から近づき声を掛けると、リィの肩がビクッと跳ねた

そして、リィが振り返った


「ぁ、レ…イ…」


振り返ったリィの瞳は潤んでいた
あと、なんでドレス破れてるの?


「その…ドレス、どーしたの?」

「ぇ、その…枝に引っ掻けた…の」


嘘ですね


「れ、レイこそ…なんでここに居るの?!だって、もう式が始まる時間だよ?!」


式?
そんなのどーでもいい


「リィ…」


約束だったよね?


「教えてよ。次に会ったら教えてくれるんでしょ?」


数ヶ月前
リィとの婚約破棄の話が出た前日


『俺とフィアンセってこと…どー思ってるの?』

『あ、あの!…次会ったら言うから!』


ねぇ、リィ…
あの時の続きを聞かせて?


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