めろめろ、きゅん


女子生徒達は、申し訳なさそうにポケットからお菓子を取り出して萌に差し出す。



「飴しかないけど萌ちゃんに上げるね?」

「わたしはキットカットだけど…」



萌はお菓子をくれる二人を見て目を輝かす。涙はとうに枯れていた。椿の腕から飛び出し(椿は少し名残惜しげにしていたが。)二人に笑顔を向ける。



「ありがとうっ!」



ずっきゅーん!


そんな効果音が聞こえた。


一体誰の胸が撃ち抜かれた音だったのか。それは分からない。何故なら皆が胸を押さえて悶えていたからだ。勿論、椿も。
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