アフターレイン
「うお、何これ。豪勢だな」



忙しなく動き回る直己の手元を見ると、豪華なご馳走が隙間なく並べられていた。



俺や親父と違って料理が得意な直己だが、なんせむさ苦しい男三人所帯なもので、普段は適当なものしか作らない。

カレーとかシチューとかハヤシライスとか、そんな系統のオンパレード。



いや、それでもかなりうまいんだけどさ。



カレーにほうれん草入れてみたり、肉をワインで炒めてみたりしてるし。



ただ今日の夕飯は、見るからにいつもとは手の込みようが違う。

俺はあんまり詳しくないから料理名とかわかんないけど、お洒落なサラダとか。



ドリアとか。

 しかも、ホワイトソースの下から少しだけ顔を覗かせている米が。

色が。



「……米が黄色い」

「それ、ターメリックライス」

「たーめりっく? 何だそれ」

「わかんないならいいよ。それより、テーブルに料理運ぶの手伝って」
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