アフターレイン
突っ込んでくれ、とでも言いたそうなアイコンタクトをしきりに送ってくる親父だが、この場の空気が一気に白けたことに気付いてないんだろうか。



つくづくアホだと思う。

俺の遺伝子の半分は確実にこいつ由来のもので構成されている、という事実を今すぐ抹消したかった。切実に。



親父にパチンッ、とぎこちないウインクをかまされて少し……いやかなり動揺したが、俺は無関心を決め込むことにした。

たぶん、直己と皐月も俺と同じ選択肢を選んだだろう。

と、勝手に思っていると。








「…っあはは。あははははははっ!!」



完全に白けきったこの雰囲気を打破するように、痺れを切らしたらしい皐月がいきなり腹を抱えて笑い始めた。



え? と、俺も直己も仰天だ。

何でこんなので笑えるのかがわからずに、かなりの衝撃を受けた。
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