アフターレイン



「……あ、」



学校に着くと、昨日と同じ下駄箱の前で友達と溜まっていた皐月に気付いた。



正確には俺が気付いた訳じゃない。



皐月の方が先に俺の姿を捉えて、小さく「あ」と声を出したんだ。

その声に反応して振り向くと、皐月がいた。それだけのこと。



皐月は友達に「ちょっとごめんね」と断りを入れてその場を離れると、俺の元へ駆け寄ってきた。



後ろでその皐月の連れが俺を見て何やらひそひそ話していたが、興味はない。

どうせろくでもないことに違いねぇ。
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