アフターレイン
タマがそう言うより早く、俺たちは二人揃ってそのダンボールに駆け寄っていた。

しゃがんで、中を覗き込む。



「ニャーン」



そこには予想通り、猫がいた。

びっくりするくらい小さいのが一匹。

片方の手の平に乗りきるくらいの大きさで、恐らく生後1ヶ月経つか経たないかくらいの子猫。



雨にかき消されてしまいそうなか細い声を振り絞って、助けを求めるようにひたすら鳴いている。

いつからそうしているのか、その声は心なしか掠れているようにも思えた。



「……信じらんねぇ。こんなことする人間がいるんだな、世の中には」

「同感」



ダンボールの底に申し訳程度にタオルが敷いてあるだけ。

当たり前だがそのタオルも雨のせいでべちゃべちゃに濡れていて、指で押せばジュワッと染み込んだ水が浮いてくる。
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