アフターレイン
鞄の中からタオルを取り出して、抱き上げた猫をそれにくるんだ。
雨がよく降る季節だから、タオルはいつも常備している。
思わぬところで役に立ったな。
「マール」
「は?」
「名前。目がまん丸だから」
タマがそう言うと、まるで返事をするみたいに俺の腕の中の猫が声を上げる。
「気に入ったってさ」
別にそういう意味の鳴き声じゃないと思うけどな。
名前を呼ばれて応えたんじゃなくて、ただ単に鳴き声で母猫を探そうとしてるとか、そんなんじゃね?
でも、まあ……いっか。
俺名前考えるの苦手だし。
「マール、か」
確認するみたいに呟くと、猫は俺の顔を見上げて短く鳴いた。
雨がよく降る季節だから、タオルはいつも常備している。
思わぬところで役に立ったな。
「マール」
「は?」
「名前。目がまん丸だから」
タマがそう言うと、まるで返事をするみたいに俺の腕の中の猫が声を上げる。
「気に入ったってさ」
別にそういう意味の鳴き声じゃないと思うけどな。
名前を呼ばれて応えたんじゃなくて、ただ単に鳴き声で母猫を探そうとしてるとか、そんなんじゃね?
でも、まあ……いっか。
俺名前考えるの苦手だし。
「マール、か」
確認するみたいに呟くと、猫は俺の顔を見上げて短く鳴いた。