アフターレイン
「で、これからどうすんの?」

「まずは病院だな」

「病院ー? この子元気そうじゃね?」



確かに元気そうっちゃ元気そうだけど。

念には念を入れて、ってあるだろ?



「元気そうとか関係ないから。猫は外敵に襲われない為に、怪我とか病気とかしててもわざと何でもなさそうに振る舞うし」

「何でそんなことすんの?」



こいつ本当頭弱いな。

今俺かなり易しく言ったつもりだったんだけど、更に説明を付け足せってか。



「……バカ。弱ってるとこを見せたら敵に襲われるからに決まってるだろうが」



なんか馬の耳に念仏唱えてる気分だ。



「あぁね。だから強がるんだ」



あ、やっと理解した。



「そういうこと。あと、ノミがついてたり、毛で隠れてるところを怪我してたりしてるかもしれないだろ? だからまずは病院に連れてくことが大切なんだよ」

「詳しいな、久志」

「ああ。前、親父が猫拾ってきたことがあってさ、そん時にいろいろ調べた」
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