アフターレイン
Episode,6
　翌日の土曜日、マールを一目見て「かわゆすぅぅぅ」とぎゃーぎゃー喚く親父と、若干呆れ気味な直己を引き連れて動物病院に行った。



　先生によると、今のところ大した異常はないらしい。

　ノミも付いていなかったし、怪我もしていなかった。



　ただ、軽い栄養失調とだけ告げられて、具体的に〝どのメーカーのキャットフードが良質か〟とかを教えられたくらい。



　あと、水分が足りていないときの判別法も教わった。

　猫の首の後ろ部分の皮をつまみ上げるみたいに引っ張り、それが元に戻るのに時間がかかると水分が不足しているらしい。

　これは初めて知った。



　それから、生まれたばかりの子猫は自分で体温を調節出来ないらしく、とにかく温めてあげるようにとも言われた。

　普通は母猫に寄り添って体を温めるんだが、いかんせんマールには母猫がいないため、湯たんぽで代用することに。



　まあ、とりあえず思ったことは

「これから大変だろうなあ」

　これに尽きる。
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