アフターレイン
Episode,7
日常が変化するのはいつも突然だ。
前触れもなく、いきなり。
俺にとってのそれが訪れたのは、マールが家に来て丁度七日目の夜だった。
「アニキ!」
自室のベッドに寝転がって雑誌を読み漁っていると、直己が焦った様子で俺の部屋に飛び込んできた。
「何?」
「今、マールに餌をあげたんだ。そしたら何か、様子がおかしいってゆーか、その」
「は? お前ちょっと落ち着けって」
珍しく取り乱している直己。
俺は雑誌をバサッと置いて、のろりと上半身を起こした。