黄色い線の内側までお下がりください




 あざみが教えてくれた。

 そうだ、その通りだ。

 こっちに来たければ、今度は私を探せばいい。

 ここまで来ればいい。

 私がその役目をする番だから。

 本当にここへ来なければならない人を私はその日まで待たなければならない。

 でも残念なことにそれはあなたじゃない。

 私はあなたをすんなりこっちの世界に連れて来ることはしない。

 死に怯え恐怖に狂う顔が見たい。

 発狂し失禁するその汚ない人間の部分が見たい。

 だから、簡単に来れるとは思わないで。

 苦しくてそこから逃れたくて殺してくれと懇願するまで痛め付けてあげる。それでも死ぬまで続けてあげるから。




 死ぬのが怖い。

 

 こっちに来てようやく分かったことがある。

 
 それはね...

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