黄色い線の内側までお下がりください

 血の気の引いた唇のように真っ青な紫陽花(あじさい)が一つ、

 枕木の間に不自然に咲いているのが見えたら、


 
 次はあなたの番だ。




 どんなに血の雨が降ろうとも、残念ながら血の雨に虹は咲かない。

 その代わりに、人々の恐怖と好奇心と欲情からくる、

 どよめきとざわめきが入り交じり、

 死体を見たいという好奇心、周りの目を気にしてその気持ちを抑える。

 下腹部は疼き、胸をくすぐるなんともいえない人間としての恥ずかしい部分が、


 その場に花を咲かせるだろう。
 
 
 その好奇心に取り憑かれると、抜け出せなくなる。




 あいつのように。




 

 さて、


 無駄話はこの辺にして、


 そろそろ本題に入ろうか。


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