黄色い線の内側までお下がりください
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黄色い線の裏にはね、御札がびっしりと貼ってある。
危ないからこれ以上前に来ないでって意味じゃない。
私たちがホーム上に上がって来ないようにするためのもの。
......私は別として。
警笛を鳴らす電車の運転手がいるのは、彼らには私たちが見えているから。
あの警笛は、あなたたちのために鳴らしているんじゃない。
あれは、私たちに警告しているだけ。
さて、片付けなきゃならない人がまだ一人残ってる。
あいつはどこへ行った?
...まぁいいや。
味をしめているからきっとまたここに来る。
好奇心には勝てないだろう。
それを私は待たなければならないけれど、
でも自信がある。私のタイムリミットまでにあいつはまたここに現れる。
それを私は絶対に見逃さない。
警笛が鳴ったら思い出して欲しい。
そこには私たちがいる。
あなたをこっちに引きずり込むために、
機会を狙ってる。
こっちに来たければ紫陽花を探して。
そして私を呼んで。
そのときは他の誰かじゃなく、私が迎えに行くから。
心配しないで。
大丈夫。
苦しいだけで、
別に大したことじゃない。
【完】