星空の下で【超短編】
星空の下で
帰り道で見た幼稚園には、たくさんの短冊を吊った笹が道路に向かって項垂れていた。
子供がお構いなしに掛けた短冊と願いに、頭を抱えているように見えて、笑った。
手にとって見てみると、「スーパーマンになりたい」だとか、「楽しいことがたくさんありますように」とか様々に並べられている中で、私が、めざとく見つけてしまったものがある。
赤の短冊で、大きな字で「りょうくんとけっこんできますように」と書いてあった。
羨ましいと妬ましい気持ちが両方むくむく沸き上がってきた。
遠回りをした道でこんな些細なものの癖に、ぶつりと夢見心地を破壊していくなんて、腹立たしかった。
今日は天の川が見えるのですね。
私は見たくありません。
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