*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】

「へぇ…沖田くんがそんなことを。」

「…はい。」

「…本心じゃないことぐらいは分かってますよね？」

山南さんはそう言う。

「それは…分かってます。」

ほんとはわかってるんだ。

本心でそんなこと言ったんじゃないって。

「だけど…不安なんです！」

自分はここにいていいのか。

みんなはあたしをどう思っているのか。

そう考えたら埒があかなくて…。

「つい、沖田さんのせいにしちゃったんです。」

「…沖田くんはきっと落ち込んでますね…。」

「え？」

「ふふふ。
貴方と話してると自分の考えてることが馬鹿みたいになってきます。
またお話しましょうね。」

そう言って山南さんはあたしに向けてはじめて作り物じゃなく本当の笑顔を向けてくれた。

「では私はこれで。」

「あっあの！」

そう言って山南さんが立ち上がろうとしたとき、あたしは思わず足止めてしまった。

「何ですか？」

「…あたし、ここにいてもいいんですよね？」

山南さんにそう聞くと考えた仕草をして言った。

「人がその場所にいるのに意味なんていらないんですよね？」

…と。