*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
女の人は、ニコッと笑って髪の毛を触った。

…何するつもりだろう?

そう思いながらみていると、ズルっと何かが落ちた。

「…か、つら…?」

その物体に気を取られていると、上からいつも聞いている甘ったるい声が聞こえた。

「もう、俺にまでしっとしてくるなんて、空可愛すぎ」

………も、しかして。

「原田…さん?」

「うん♪」

あぁ、確かに原田さんに似てる。

口調も、顔立ちも、身長も。

なんで気付かなかったんだろう。

そう考えて軽く自己嫌悪に陥る。

「総司にたのまれたの。
最近空が構ってくれない。
つまらないから、ちょっと意地悪に付き合ってくれって」

そう言って沖田さんの方を向く。

沖田さんはと言うと、顔を真っ赤にさせていた。

「…あと…これ、渡したくて…」

沖田さんがそう言って差し出したのは、いつか見たあの着物。

薄い水色に薄い桃色で桜が描かれている…

「なんで…」

「この前、見つけたんです。
それで、空に合うかなぁって。、」

沖田さん…

「ありがとうございます。」

そう言ってあたしはふわっと笑った。


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