*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
ポツポツと降り出した雨は止むことはなくただあたしの体を濡らしていく。

「ふっ……くっ……。ひっく…」

だけど今のあたしにはある意味好都合。

だって誰も気付かないでしょ?

あたしが泣いてることなんて。

雨に濡れてるだけ。

そう、雨に………。

そこで、ハッとした。

「赤ちゃんっ…!」

でもそう気付いた頃にはもう遅くて、

ーバタっ

あたしはその場に倒れた。

「ちょっと!急に倒れこんであんた大丈夫かい?」

「ちょっと、どうしたんだい?」

そんな道ゆく人々の声と、

「ーーーー…っそらっ…ー!」

愛しの人の声が遠くの方で聞こえた。
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