*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
ー1865年4月ー

トントントントントントン…と一定のリズムで台所に響く。

千切りも今では慣れたものだけど、ここ(西本願寺)の台所はちょっと使いにくい…。

でもまあ、あそこの台所も1年もしてれば慣れたし、ここでも慣れるか…と自分を説得させた。

あたしが来てから1年、いつしかご飯を作るのはあたしの仕事になっていた。

なんでかっていうのは、まあみんなが食べる料理を食べれないから。

むしろ、食べたくないから。

あれはひどかった。

まじひどかった。

死ぬかと思ったよ…。

「それにしても…」

今日は寒いなぁ……。

もう4月なのに…。

はぁー…と冷たくなっている自分の手に息を吹きかける。

「よしっ!やるかっ!」

気合いを入れ直してからあたしは再び料理を再開した。
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