*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
「そーらっ。
なにしてるんですか?」

縁側に座って桜の木を見ていると、沖田さんが来た。

「ちょっと風に当たってるだけです…」

そう言うと「じゃあ僕も一緒に…」と言ってあたしの隣に腰掛けた。

「そういえば…なんで急に…?」

ずっと思っていた疑問を投げかける。

みんなそうゆう雰囲気を出してた訳じゃないし、あたし自身も言われなかったら1年も経ってたなんて気付かなかったと思う。

「昨日、思いついたんですよ」

「昨日?」

なんで昨日?

「空と手繋いだでしょう?」

「うん…」

それでなんでやろうっていう発想に思いつくのか…。

「その時、空の手がカサカサだったんです…。
僕等の為にご飯、作ったりしてくれてるからですよね?
水仕事するとそうなりますもん」

「……」

嬉しかった。

小さな小さな変化に気付いてくれて。

「それで、思ったんです。
空にご褒美あげたいなって。」

そうだったんだ……。

「沖田さん、ありがとう…」

そう言うと微笑んで「いえいえ」と言って頭をポンポンと撫でてくれた。

その瞬間、ひゅーと強い風が吹いた。

「きゃっ…」

「…クスッ」

やっと抑まった時、小さく沖田さんが笑った。

「え?何か変…ですか?」

そう言うと、沖田さんが近づいてきた。、

「え?な、何?」

そういいながら恐怖で目を閉じると、髪に何かが触れた。

恐る恐る目を開けると、沖田さんの掌には桜の花びらが乗っていた。

「ついてましたよ」

そう言ってクスッと沖田さんが笑って、あたしもつられて笑った。

ーーーーー……



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