*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
「っ!誰?!」

ばっと後ろを振り返る。

いつに間にか部屋に入っている。

「斎藤一だ。
総司が今日当番らしくてな。
今日非番だった俺がお前の監視につくことになった。
普段監視は外で見張るのだが、どんなやつかと思い勝手に部屋にはいらせてもらった」

真っ黒のその髪を一つに結っている冷血な男。

「……そうですか。監視ですか。」

監禁だけではなく監視までされるとは……。

さすがに予測もしなかった。

「そこまで疑われてるんだなぁ…」

そうポツリと言い、クスリと笑った。

「…何を疑われているんだ。
俺は逃げないように監視してくれとしか言われてないのでな。
監視するならそれぐらい知る権利というものがあるはずだ。」

理屈たっぷりに斎藤さんは言った

「…そうですね。
…あたし、記憶がないんですよ。
まぁ、嘘つきってみんなに言われましたけどね。
それで、名前も何も知らないんです。
ここにきた理由さえも。
気付いたらここにいて、気付いたら監禁とか言われて……嘘つきって言われて…。
あたしは、いろんなこと疑われてるんです。」

泣きそうになったけど堪えた。

こんなところで泣きたくないから。
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