*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
「貴方の名前は?
なぜこんなところにいるんです?」

男の人があたしの顔をみながら問う。

あたしはその質問に答えようと口を開く。

「あたしは……」

そう言った瞬間、あたしは口を閉ざした。

あたしは、自分の名前が分からなかったから……。

あたしは…?

アレ?ナンデココニイルノ?

アタシハダレ?

ココハ…ドコ?

必死に今までの事を思い出そうとする。

でもその度にズキンーと頭が痛む。

それは、まるであたしが思い出すのを拒んでいる様だった。

「あの」

その時、鬱陶しそうな声があたしの頭に響いた。

「あっ…あたしの名前は…ですね…」

必死になんとか名前だけでも思い出そうとする。

だけど、一向に思い出すどころか頭が痛くなるだけ。

「~~っ」

ズキンズキンと激しい痛みに思わずその場にしゃがみ込む。

そして、意識を手放した。


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