*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
雲が晴れ、月明かりに照らされる。

男の人はニヤリと笑った。

「お前異人かぁ?
その服装はそうだよなぁ?」

ー怖い。

逃げなきゃ。

そう自分の本能がいっている。

だけど動けない。

「あ……あ…」

「おいチビ、斬られるかヤられるかどっちがいい?例え男でもお前みたいな女顔やったら大丈夫やろ。」

ードクン

「え…」

ヤられる?

「言わんのやったら斬るけど?」

ーヒュッ

その瞬間、あたしの顔をツーと血がつたった。

「脅しじゃねえからな?」

ー痛い。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

顔が、心が痛い。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「じゃ、さよーなら。」

「ひっ…」

ーその時、みんなの顔が浮かんだ。

そっか。あたしみんなのこと好きになってたんだ。

だから嘘つきって言われるのが嫌で、

心が痛くて……。

なんだ、簡単な事だったんだ。
< 58 / 392 >

この作品をシェア

pagetop