*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】
ーガラッ

「あ…あの、沖田さんありがとう…」

沖田さんの部屋に入り、そう言う。

「嫌です。」

だけど即答された。

「へ?」

てっきり許してくれると思っていたあたしは拍子抜けしてしまった。

「…嘘です。
もう無理しないで下さい。
僕言いましたよね?逃げたら斬ると。」

「え?」

血の気がサーと引いていく。

「…まぁ半分冗談です。
でも無理はしないで下さい。
心配したんですから。」

沖田さんはそういった瞬間しまったという顔をした。

「え?」

ー心配したんですからー

沖田さんが言ったその言葉が頭でリピートされる。

「心配…してくれたの?」

「……はぁー……。
もういいです。
しましたよ。心配。
笑いたければ笑ってください。」

そう言ってぷーっと膨れっ面をする沖田さんを見て思わず笑ってしまった。

「…本当に笑うとは思いませんでした。」

「えへへっ」

それでも笑ってると沖田さんはほほえんで言った。

「おかえりなさい」って。

その顔にキュンとしたのはきっと気まぐれ。

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