「約束」涙の君を【完】
祥太の後を追って階段を上がり、
祥太が部屋に入ると、ますます緊張してきてしまった。
一歩祥太の部屋に踏み込むと、
白い壁、広い窓、
私の部屋の倍以上ある広さの部屋に、
ベッドと、ローテーブル
本棚と、パソコンデスク。
祥太の部屋は、私の和室の部屋とは大違いの、
明るく綺麗な部屋だった。
祥太はバッグを床に置くと、
腕時計を外して、パソコンデスクの上に置いた。
そして、ベッド前のラグの上に座ったから、
私は、ローテーブルを挟んで、
祥太の向かい側に座った。
「勝手なことばっか言ってごめん」
突然謝ってきた祥太は、
ベッドに背をもたれて少し俯いていた。
下を向いているせいか、前髪でその表情がよく見えなかった。
何を謝っているのか、良くわからなかったから、
私はボードを出して気持ちをそのまま書いた。
【どうして謝るの?】
祥太はボードを見ると、
まっすぐ私を見つめた。
その綺麗な二重の、
くりっとした瞳で見つめられて、
それだけでキュンとしてしまった。
「優衣の気持ち考えないで、
俺の気持ちばっか押し付けてたから」