「約束」涙の君を【完】
気持ち
次の日、
今日から授業が始まった。
昨日は結局少しも勉強することなく、祥太に家まで送ってもらうことになってしまったから、
今日こそちゃんと勉強を教えてもらわなくちゃ……
勉強、勉強……と、先生の話をちゃんと聞いていたのに、
やっぱり隣の祥太が気になって……
授業中ちらっと祥太にばれないように、横目で祥太を見ると、
真剣な横顔が見えた。
その横顔を見るのが好きだなって思っていたら、
祥太がこっちを見て、目が合ってしまった。
すると、くしゃっと可愛く笑って、
「なんだよ」って、
下を向いてしまった。
休み時間は、あおいと杏がそばにいてくれて、
ふたりと一緒に、おばあちゃんの作ってくれたお弁当も食べ、
高校生活二日目も、なんとか無事に終わりそうだと思っていたら、
放課後、帰る前にトイレに行ったのが、
間違いだった。
トイレから出たところで、
陽菜たちに囲まれてしまった。
「ちょっといい?」
5人の女子たちが私の周りを囲んでいて、
そのまま、屋上へと連れていかれた。