「約束」涙の君を【完】
タオルで抑えながら、ゆっくり息を吐こうとしても、
思うようにできず、
息をたくさん吸ってしまって、苦しくなってしまった。
……今回の発作は……きつい……
「落ち着け。大丈夫だから。
ごめんな……そばにいなくて……
ごめんな……優衣」
祥太のせいじゃないのに、
謝らないでって言いたいのに、
言えなくて……
「優衣を支えようと思ってずっとやってきたけど、
俺、
守るから……
優衣を一生、
苦しみから、守ってやるから……」
祥太………
祥太の優しい言葉に、涙がこぼれてしまって、
もっと息が苦しくなってしまった。
「ちょっと待ってな」
祥太は、私をゆっくりと床に寝かせると、
教室から一度出て、
すぐに戻ってきた。
そして、私の上半身を抱き起こすと、
口元のタオルを外し、
私の口の中に、薬を入れた。
そして、
ゆっくりと祥太の顔が近づいてきて、
柔らかい祥太の唇で、口を塞がれると、
ゆっくりと水が流れてきた。
ごくっと薬を飲むと、
祥太は、唇を離した。