「約束」涙の君を【完】
家の前に着き、自転車が止まると、
私はゆっくりと降りた。
祥太は自転車に乗ったまま、
私の顔を覗き込んできた。
「また明日の朝……な」
そう言って、私の頬を触った。
「ごめん、薬……あんなやり方で。
じゃあな」
祥太は、ハンドルを持って自転車をこぎ出した。
祥太、今日謝ってばかりじゃん……
謝ることなんて、何もしてないのに……
唇に残る祥太の感触……
私、嬉しかったのに。
祥太はいつも謝るけど、
私はいつも嬉しかったのに……
だって、好きなんだから……
私、祥太が好きなんだから……‼
「………っ……たっ……!」
ちょっと声が……出たかも……
「……たっ………う……た!!」
「………しょう……た!!」
祥太の自転車が止まって、
バッと祥太が振り向いた。
「………しょ……
……祥太!!」
祥太は固まっていた。
「……すき……
………祥太が……好き!!
…………好き!!好き!!
私……祥太が好き!!!」