「約束」涙の君を【完】
同じ傷
次の日も川へ行くと、やっぱり祥太がいた。
昨日と同じように網を持って魚を狙っていた。
しばらく川岸でしゃがんで、祥太を眺めていると、
祥太が川から上がってきて、
私の隣に座ってきた。
おしりを浮かせてしゃがんでいたんだけど、
祥太がどかっとその場に座ったから、
私もゆっくりとおしりをついてみると、石がごつごつして座り心地が悪かった。
ちょっと微妙に間をあけて隣に座ってきた祥太は、
何も言わずにただ座ったままだった。
私はこの沈黙をどうしたらいいのかわからなかった。
座り心地の悪さと、居心地の悪さを感じている時、
川にかかる小さな鉄橋に、
小さな電車がカタンカタンとかわいい音をたてて走り去り、
また、川の流れる音だけになった。
「昨日は…ごめん」