「約束」涙の君を【完】
笑顔のままで
それからまた、
いつものように、ずっと一緒にいる毎日が帰ってきた。
でも、
ひとつひとつのことが、
思い出になると思うと、
ひとつひとつが、
一緒にいられる一秒一秒が、
とても大切に思えた。
祥太の背中から見る通学路も、
手を繋いで歩く廊下も、
授業中に、目が合う瞬間も、
全てがもうすぐ、
思い出になる。
触れる手も、
髪を撫でる指も、
キスをする唇も……
全てがもうすぐ、
遠くへ行ってしまう。