「約束」涙の君を【完】
帰り道、自転車に乗りながら、
先生の言葉の意味を考えた。
【時には、背中を押してやることも、必要だと思うんだ】
俺は、優衣を本気で支えてあげたいと思っている。
でも、ちゃんと支えてあげられているんだろうか……
ゆっくり優衣の体調が良くなるのを待とうと思っていたけど、
確かに少し、背中を押してやることも、
必要なのかもしれない。
でも背中を押してやるって、俺に何ができるだろうか……
その時、遠くに優衣の姿が見えた。
……一人で外に出たのか。
そうだ
少しずつ外に連れ出してみるか……
少しずつ距離を伸ばして、
そこから始めてみるか……
俺は、自転車のペダルを強くこぎ出した。
+++祥太side end+++