キミの秘密



「あ、外部の子だよね?」



指定された席に着くなり話しかけてきたショートカットの女の子。



「ほら、ゆずる!
同じクラスだったよ~」

「瑠璃、驚かしちゃってるよ」



後ろから顔を出した女の子が“ごめんね”と言って苦笑した。

眼鏡がすごく似合っていて秀才のオーラが漂っている。



「あ、ごめんねぇ!
私、瑠璃!この子はゆずるって言うの!
仲良くしてね~」

「芽衣です。こちらこそ」



ちゃんとした女の子の友達…

しかも優しい…


今まで千景と和奏さんとしか会ってなかったから、すごく嬉しい。



「そういえば芽衣ちゃんって、祠堂さんと相部屋だよね?」

「あ…うん」



祠堂と言う言葉にドキッとなる。



「いいなぁ~
祠堂さんってかわいいし、誰にでも優しいし、すっごく人気なんだよ~」

「あ、そうなんだ…」



否定することもできず、笑うしかない。

さすが仮の姿、姫香ちゃんは完璧なのね。



「彼女との相部屋を狙っていた人も多いの。
だから、もしかしたら芽衣さんは嫉妬の対象になるかもしれないから用心しておいた方がいいと思うよ」

「ありがとう」



そんな妬まれても…

こっちから代わりたいくらいだよ。


入学早々気が重くなる。


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