キミの秘密



…あれ?



「どうしました?」



何だろう。

何か違和感。


あ、そっか…

この部屋無駄に広いのに、全然物がない。

色もピンクとかじゃなくて落ち着いた寒冷色。

ぬいぐるみの1つもない。



「芽衣さんはそちらの机とベッドを使ってくださいね」

「あ、はい!」



かわいい容姿だし、いかにもお嬢様って感じがしたから、想像してた部屋との差に驚いてしまった。

外見で何事も決めつけちゃいけないよね。



「芽衣さんは荷ほどきがあると思うので…
私、涼香さんから合鍵受け取って来ますね」

「ありがとうごさいます」



涼香さんは寮長の名前だと言うことは後で知った。

祠堂さんが部屋を出て行き、私は広い部屋に一人となった。


荷ほどきって言ってもなぁ…

今日入寮できるなんて思わなかったから、近くのホテルに泊まるような一泊分の荷物しか持ってきてないんだよね。

入寮、海外に行くことを考えて引っ越し用に荷造りはしていたから、後で送ってもらわなきゃ。


そうだ、コートをかけなきゃしわになっちゃう。

ハンガー一つくらい借りてもいいよね?

ルームメイトだし、祠堂さんなら笑って“どうぞ”って言うよね。


一瞬ためらったが、ハンガーを借りるためにクローゼットを開けた。


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