キミの秘密
祠堂さんが近付いて…
って、あれ?
何か距離が…
「し、祠堂さん?
なんか近すぎるんじゃない、かな?」
「…………」
もしかして、祠堂さんって…
「ごめんなさい!
私そういうのはちょっと…!」
少し距離を離そうと思って、手を伸ばした時だった。
咄嗟すぎて誤って祠堂さんの胸に触れてしまった。
「あ、ごめっ…!
…………ん?あれ?」
乙女の胸に触れてしまったはずが、私の手には柔らかいどころか、硬い触感が…
「触りすぎだろ」
私の手をがっちり掴むのは、女の子らしからぬ力強い手。
硬い筋肉を呼べるもの。
クローゼットの中の男物の服。
「…お、お、お、男?!」
「鈍い女」
間近で口角を上げたその顔は恐ろしく整っていて。
女の子、ではなく、男の表情をしていた。