キミの秘密
「出てけ」
「………はい?」
解放された私は放心状態で床に座り込んだ。
彼女、いや、彼は私に見向きもせずにクローゼットを閉めた。
「この学校から出てけって言ってんだよ」
そのまま鋭く睨まれた。
待ってよ…
ここ女子学校だよね?
なんで男がいるの?
これって犯罪じゃないの?
私より祠堂さんの方が出ていくべきじゃないの?
「お、男がいるなんておかしい!」
「…今更か」
「男と相部屋なんて絶対無理!
食われる!襲われる!獣!!」
「黙れ。聞こえたらどうすんだ」
「聞こえるべきでしょ!?
女子寮に男だなんて…!
寮長さんにばらしてやる!!」
立ち上がろうとしたのに、気付けば床に仰向けになっていた。
って言うか、おおおおお押し倒されてる!?
全身から変な汗が一気に溢れ出るのが分かった。
「犯すぞ、この女」
「ひっ…!」
「いいか、お前がこのことをばらしたらどうなるか分かってるよな?」
「…し、祠堂さんが退が」
「外歩けなくしてやる」
「…………」
お金持ちの圧力。
絶対金融関係で何かされる。
ただでさえお金がないのに、お母さんやお父さんに迷惑かけられない。