七夕の夜に




「莉...沙...
来年..はみたい..な、あの場所..で」

「うん。見ようね。
絶対だよ、約束」

「約..束だ」

そう言って握り返してくれた手は力なくて
そのまま渉の手は私の手から落ちていった

心臓の動きの写った機械からは
ピーっという電子音が聞こえて

私は渉の手をもう1度握りながら
声をあげて泣いた

遥さんがきて、渉の両親がきて
私が帰る頃には大雨になっていた


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