君に恋した
「ぷ、今度は何笑ってんの、」
呆れたようにそれでも笑いを含んだ声で彼はいう。
彼の声に被さるようにして、午後の授業の開始五分前を告げるチャイムが響いた。
ちゃんと涙を拭ってから、振り返って上をみる。
ひょっこりと顔を出しているところをみると、どうやら俯せに寝転がっているようだ。
「授業始まるよ?」
「あー、お前行くの?」
「え、当たり前なんですけど」
「んんー…」
空を仰ぎ考えるようにして唸りながら、ちらりと私をみる。