君に恋した
 

 目が合ったのはあったんだけど、無視して素通りしようとするものだから、俺も思わず強引に腕なんて引いてしまいました。
 痛かったらゴメンね。


「・・・何すんの、離して」

「イヤ。俺はワコと話がしたいの」

「話すことなんてないよ、帰って勉強したい、し、痛いから」

「なんで避けるの? 理由教えてよ」



 彼女がぐっと唇をかみしめた。

 やめてよ、柔らかくて可愛い唇、かみ締めて血なんて止まったらイヤだよ。俺、好きなのに。

 ちょっとの間、彼女は何も言わなくて、俺の方からも何も言えなかった。


「佑久が、悪いんだ」

「?」

「最近、他の女の子とばっかり・・・結局、私だけ好きなんじゃないかって、思う」

 
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