君に恋した
 

 私だけ、喜んでたの? って疑問系の割りに独り言みたいにいうから俺もワケ分からなかったです。


「結局アンタだって誰でもいいんだ、そうだよね。学校に居たら半分は女子だし、アンタ容姿も成績もまともだし、寄ってくる子もみんな可愛いもんね、私と違って」


 言ってて耐えられなくなったんだろう、彼女の肩が小さく震える。
 目には涙。


 なんだ。

 なんだよ、そんなことで悩んでたの? って、いってやりたい。

 俺だって、そんなことはたくさん思ってますよ。
 それにね、佐和子のそれって、ヤキモチとか嫉妬って言うんだよ。


「バーカ」


 自然にこぼれる笑み。

 君にだけ、君にだけ。

 コレってもしかして、ニヤけてるんじゃないだろうか。


「バカにすんな、バカっ。ニヤけんなキモい」


 あ、やっぱりですか。

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