君に恋した
4.待ってろ
 


 アタシは今、合戦場のど真ん中の草陰に放置された、ド阿呆な奴になっている。

 ああ、状況もうまく飲み込めてないけど、寝て起きたら周囲が緊迫してたり、知らない場所に居たりとか? 本当に体験した人って凄いよね。
 緊迫は少ししているかもしれないけれどよく知る場所ではあった。

 今回の場合、青春ってやつだから場所は選ぶよね、アタシからしたら超メーワク。


 どこからどうみても、乙女のトキメキ告白タイムであるというのに、逃げようにも彼女たちの視界に入らなければ抜けることは叶わないという位置から逃げられず息を潜めてただただ終わるのを待つしかなかった。


 聞きたい訳じゃないから声が、遠いこともあるけれど雑音の様にしか聞こえない。
 人に聞かせたいのかお前と問うてやりたい。

 今は夕方の四時。てか小一時間昼寝をするつもりががっつり貪ってしまった。夢は覚えてないけど、なんとなく地味に嫌な感じだった気がする。


 意識を自分の世界から現実に戻してみる。

 
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