君に恋した
 

「待ってろ」


「……え」

「お前のも取ってきてやる、だから此処で待ってなさい」


 あまりの以外な言葉に驚きの声が漏れる。
 自分の耳がおかしくなったかと疑う。しかし、彼は先程の告白彼女が行った方とは逆に向かって走って行った。
 確かにそっちの方が教室近いけど。


 予想外の言葉に、何故か脈があがる。
 面倒臭さがりで、他人にもあんまり興味なさそうなくせして、アタシにはよく突っ掛かってくるし、意地悪だし、王子じゃない。



 アタシの王子じゃない。




 って、何言ってるんだろう、アタシ。


 でも……。

 
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