君に恋した
アイツは自分勝手だ。
ここの鍵も一人で作ってきて、「はい、お前の」なんて彼女に合鍵を渡す感覚で私の手に星のチャームを付けた鍵を握らせるし、行くときは着信を入れて欲しいと頼んだにも関わらずかかってきたのは最初の二、三度。
毎回アイツの方が先に来てる事が多いから待つ確率は0に近かったけれど。
って、そうだ・・・。
私、アイツとの関係って何なんだろう。
友達?
親友?
でも、告白なんて以っての外、生まれてこの方十七年言われたこともないですから、彼女ではない。
だとしたら気の合う友達かなぁ、と考えると少しショックだった。
ショックなんてそんなこと、頭を軽く振ってその考えを否定する。
アイツにとって、私がそんなことを一度でも考えた事がショックだろう。
箸で一口サイズに切り分けていた卵焼きの最後の一欠けらを口に含む。
少し甘めに焼いた卵焼きは、今の気分からして胸やけを起こしそうだ。