君に恋した
 

 恐れつつも、手を伸ばして彼女の頬に触れる。ぴくりと彼女の頬、肩が緊張に震える。


「ごめん、そんな不安にさせてたなんて思いもしなかった」


 彼女が、自分の頬を包むように触れる手にゆっくりと手を添える。


「そんな顔させるために、俺は我慢してたんじゃない。晴香…、言い方悪いかも知れないけど、ちゃんと色気あるから…」


 なんて言えばいいのか解らずにそのままをいう。
 ずっと、君だけを想ってきたよ。
 今までも、これからも。

 知らないでしょ? 俺が今まで何度嫉妬してたかなんて。

 笑ったり怒ったり、悔しがったり、そんな喜怒哀楽の表情一つひとつでさえ誰にも見られたくなかったなんて。

 
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