君に恋した
 


 ああ。

 なんだ。



 そんなところに居たんだ。 


 そんな簡単な事に気付く事が出来なくて、色々悩んだ自分が馬鹿らしい。

 なんてことはない、小さな事なのに嬉しくて嬉しく、どうしようもない。


「何で泣くの、」

「居たなら、声かけてよー」


 彼がそんなに大袈裟に言うものだから、余計にこぼれてくるじゃないか。

 カッターシャツの袖で拭いながら、次になんて言ってやろうかを考えている辺り、アイツを負かしてやりたいと思っているんだなぁなんて、苦笑いした。


 
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