叶わなかった
私、雪村 奈央―ユキムラ ナオ―は羽野 悠介―ハノ ユウスケ―という人に出会いました。
彼は、人間だけど人間じゃなかった。
母さんに頼まれて買い物に行った時の話です。
買い物が終わった後、私は河原に行った。昔から時間があればここに来ていた。
川のせせらぎ、子供たちの声、校外練習をする野球部員の走る音。
色んな音を聞いて色んなものを見る。毎日の事である。
でも、今日だけは違った。
今日は、いつもの光景ではなかった。
河原の土手で寝転がってる少年がいた。春とはいえ、夕方になれば寒くなる。
心配だったので声をかけた
「ずっと寝てると、風邪ひいちゃうよ?」
私が声をかけた事にビックリしたのか、彼はキョトンとした目で私を見た。
「?聞いてる?」
ずっとキョトンとしてるので、再度声をかけた。
「あ・・・あぁ・・・すまん。さんきゅ」
そう言って彼は立ち上がった。その瞬間すごく強い風が吹いた。
ちょっと瞬きしただけなのに、彼はもう居なかった。
周りを見ても、誰も居なかった。
「もう少し、話してみたかったかも」
そう思いながら、家に向かった。
翌日、学校帰りにいつも通り河原に行った。今日も彼はいた。
「いつもここにいるの?」
無視されるのを覚悟で聞いてみた。
「え・・・あ、昨日の・・・いや・・・いつもじゃない」
答えてくれたことに異常なくらい嬉しくなった。
「ね、私雪村 奈央!あなたは?」
何となく仲良くなれそうな気がして、名乗ってみた。
「俺は羽野 悠介・・・」
また答えてくれた。
「羽野君か。よろしく!羽野君は、中学生?」
「え、ああ、うん」
何だか歯切れが悪い・・・もしかして聞いちゃダメだったかな。
「私も中学生なんだ!今は2年生!羽野君は?」
「俺も2年生だ・・・よ」
「あはは!一緒だね!」
少し喋っただけなのに、とても仲良くなれた気がして、嬉しくなった。
それから、私と羽野君は毎日河原で会うようになった。
今までの普通が新しくなった。
でも、最近会う度に羽野君は辛そうな顔をするようになった。
なんでかな・・・
彼は、人間だけど人間じゃなかった。
母さんに頼まれて買い物に行った時の話です。
買い物が終わった後、私は河原に行った。昔から時間があればここに来ていた。
川のせせらぎ、子供たちの声、校外練習をする野球部員の走る音。
色んな音を聞いて色んなものを見る。毎日の事である。
でも、今日だけは違った。
今日は、いつもの光景ではなかった。
河原の土手で寝転がってる少年がいた。春とはいえ、夕方になれば寒くなる。
心配だったので声をかけた
「ずっと寝てると、風邪ひいちゃうよ?」
私が声をかけた事にビックリしたのか、彼はキョトンとした目で私を見た。
「?聞いてる?」
ずっとキョトンとしてるので、再度声をかけた。
「あ・・・あぁ・・・すまん。さんきゅ」
そう言って彼は立ち上がった。その瞬間すごく強い風が吹いた。
ちょっと瞬きしただけなのに、彼はもう居なかった。
周りを見ても、誰も居なかった。
「もう少し、話してみたかったかも」
そう思いながら、家に向かった。
翌日、学校帰りにいつも通り河原に行った。今日も彼はいた。
「いつもここにいるの?」
無視されるのを覚悟で聞いてみた。
「え・・・あ、昨日の・・・いや・・・いつもじゃない」
答えてくれたことに異常なくらい嬉しくなった。
「ね、私雪村 奈央!あなたは?」
何となく仲良くなれそうな気がして、名乗ってみた。
「俺は羽野 悠介・・・」
また答えてくれた。
「羽野君か。よろしく!羽野君は、中学生?」
「え、ああ、うん」
何だか歯切れが悪い・・・もしかして聞いちゃダメだったかな。
「私も中学生なんだ!今は2年生!羽野君は?」
「俺も2年生だ・・・よ」
「あはは!一緒だね!」
少し喋っただけなのに、とても仲良くなれた気がして、嬉しくなった。
それから、私と羽野君は毎日河原で会うようになった。
今までの普通が新しくなった。
でも、最近会う度に羽野君は辛そうな顔をするようになった。
なんでかな・・・