受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
俺は急に望月眞樹が気になった。
サタンに心を奪われた眞樹。
きっと、輸血の苦しみから救ってもらいたくて悪魔と契約したのではないだろうか?
だから眞樹は七転八倒する苦しみから解放されたのではないだろうか?
でも眞樹は死んだ。
その苦しみに耐えられなくなって死んだ。
何が俺達の運命を変えたのだろうか?
氷室博士教授が俺達をチェンジしていたら、俺が眞樹になっていたのだろうか?
答えは出ない。
出るはずがない。
屋上から見下ろすと、眞樹と赤坂奈津美の遺体はブルーシートに隠されて、卒業する生徒達にも伏せられた。
(俺は助かったのか? でも俺の血はヴァンパイアのままではないのか? それで本当に助かったと言えるのか? 一馬の言う通り俺が本当に救世主だったとしても、ヴァンパイアの血はぬぐえるのだろうか? どんな方法でこの体を浄化させようとするのだろうか?)
又苦しいだけの……
眞樹が体験した恐怖が俺の心を支配しようとしていた。
(一体何故、ヴァンパイアの血が俺の中に?仮に本物のヴァンパイアの血を飲まされとしても、本当にヴァンパイアになれるのだろうか? それでも、救世主だと言うのか? ヴァンパイアにされた俺にそんな資格があるのか?)
俺は何が何だか解らなくなっていた。
でも、頭の片隅にまことの姿が見え隠れしていた。
(ヴァンパイア!? そうだまことは……まことは何処にいる!?)
俺はやっと自分を取り戻していた。
(そうだった。まことのことをすっかり忘れていた。ごめんまこと……)
それはやっと、自分の置かれた状況を判断出来るようになったためだ。
落ち着いて来た証拠だと思った。
(まことが此処にいるはずがないのに……そうだよ、まことはあの家で……)
そう思いながらも俺は探していた。
俺が傷つけたかも知れないまことの体を。
俺は確かにまことを襲った。
ヴァンパイアになって、まことの血を求めていた。
それが夢であってほしいと思いながら大カンバスの脇に戻り、救世主の証かも知れない十字架の絵を見つめた。
サタンに心を奪われた眞樹。
きっと、輸血の苦しみから救ってもらいたくて悪魔と契約したのではないだろうか?
だから眞樹は七転八倒する苦しみから解放されたのではないだろうか?
でも眞樹は死んだ。
その苦しみに耐えられなくなって死んだ。
何が俺達の運命を変えたのだろうか?
氷室博士教授が俺達をチェンジしていたら、俺が眞樹になっていたのだろうか?
答えは出ない。
出るはずがない。
屋上から見下ろすと、眞樹と赤坂奈津美の遺体はブルーシートに隠されて、卒業する生徒達にも伏せられた。
(俺は助かったのか? でも俺の血はヴァンパイアのままではないのか? それで本当に助かったと言えるのか? 一馬の言う通り俺が本当に救世主だったとしても、ヴァンパイアの血はぬぐえるのだろうか? どんな方法でこの体を浄化させようとするのだろうか?)
又苦しいだけの……
眞樹が体験した恐怖が俺の心を支配しようとしていた。
(一体何故、ヴァンパイアの血が俺の中に?仮に本物のヴァンパイアの血を飲まされとしても、本当にヴァンパイアになれるのだろうか? それでも、救世主だと言うのか? ヴァンパイアにされた俺にそんな資格があるのか?)
俺は何が何だか解らなくなっていた。
でも、頭の片隅にまことの姿が見え隠れしていた。
(ヴァンパイア!? そうだまことは……まことは何処にいる!?)
俺はやっと自分を取り戻していた。
(そうだった。まことのことをすっかり忘れていた。ごめんまこと……)
それはやっと、自分の置かれた状況を判断出来るようになったためだ。
落ち着いて来た証拠だと思った。
(まことが此処にいるはずがないのに……そうだよ、まことはあの家で……)
そう思いながらも俺は探していた。
俺が傷つけたかも知れないまことの体を。
俺は確かにまことを襲った。
ヴァンパイアになって、まことの血を求めていた。
それが夢であってほしいと思いながら大カンバスの脇に戻り、救世主の証かも知れない十字架の絵を見つめた。